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android:studio:application

アプリケーション開発

Androidアプリケーションの開発環境Android Studioを使用してアプリケーションを開発します。

新規プロジェクトの作成

Android StudioでAndroidアプリケーション開発のためのプロジェクトを新規に作成します。

android:studio:application:android-app0001.png

新規プロジェクトの作成

Android Studioを起動して、ナビゲーションの『プロジェクト』タブで『New Project』をクリックします。

android:studio:application:android-app0002.png

テンプレートの選択

Phone and Tablet』の『No Activity』を選択して空のプロジェクトを作成します。

次へ(N)』で次に進みます。

android:studio:application:android-app0003.png

プロジェクト情報の入力

各プロジェクト情報を入力します。

Package name』は英数小文字のsnake_caseで、ドメインを逆にしたものを指定します。

完了(F)』でプロジェクトが作成されます。

Gradleの最新化

ビルドツールGradleを最新化します。

android:studio:application:android-app0011.png

プロジェクト構造

メニューアイコンから『ファイル』➡『プロジェクト構造…』へと進みます。

android:studio:application:android-app0012.png

Project

サイドメニューの『Project』で『Gradle Version』の最新バージョンを選択します。
執筆時では、8.10.2でした。

OK』で終了します。

バージョンカタログの設定

マルチモジュールプロジェクトで構成するため、各モジュール内で定義するバージョン情報をバージョンカタログで一元管理します。

android:studio:application:android-app0021.png

プロジェクトエクスプローラの切替

プロジェクトの表示を『プロジェクトファイル』に切り替えます。

android:studio:application:android-app0022.png

カタログファイルの編集

バージョンカタログファイルは、/gradle/libs.versions.toml に作成されています。

バージョンカタログファイルを編集します。
マルチモジュールの各モジュールの設定を共通化するため、まず最初にAndroid Gradleのビルドツールプラグインの定義を行います。

[versions]
agp    = "8.7.2"
kotlin = "2.0.21"
   :

2行目
AndroidアプリケーションをビルドするGradleプラグインのバージョンが定義されています。
mavenCentralリポジトリの最新安定バージョンを指定します。
3行目
Gradle用Kotlinプラグインのバージョンが定義されています。
Kotlin plugins for Gradleリポジトリの最新安定バージョンを指定します。

android:studio:application:android-app0023.png

変更の同期

定義ファイルを編集したので、Android Studio右上の『同期アイコン』をクリックして定義内容をプロジェクト全体に同期させます。

KSPの導入

KotlinのアノテーションプロセッサーKSP(Kotlin Symbol Processing)を導入します。

バージョンカタログファイルにKSPの定義を追記します。

[versions]
   :
devtools-ksp = "2.0.21-1.0.27"
   :
[plugins]
   :
devtools-ksp = { id = "com.google.devtools.ksp", version.ref = "devtools-ksp" }

3行目
KSPのバージョンはKSP GitHubを参照して、Kotlinバージョンに適したバージョンを指定します。
7行目
任意の名前でプラグインを定義します。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

最上位のbuild.gradle.ktsにKSPの使用宣言を追記します。

plugins {
   :
  alias(libs.plugins.devtools.ksp) apply false
}

3行目
バージョンカタログファイルのKSPプラグインを参照します。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

Hiltの導入

モジュール間の依存関係を疎にするため、DI(Dependency Injection)フレームワークのHiltを導入します。

バージョンカタログファイルにHiltの定義を追記します。

[versions]
   :
dagger-hilt = "2.52"

[libraries]
   :
hilt-android  = { module = "com.google.dagger:hilt-android",  version.ref = "dagger-hilt" }
hilt-compiler = { module = "com.google.dagger:hilt-compiler", version.ref = "dagger-hilt" }

[plugins]
   :
hilt-android = { id = "com.google.dagger.hilt.android", version.ref = "dagger-hilt" }

3行目
HiltのバージョンはMaven Repositoryを参照して、最新安定バージョンを指定します。
6行目~7行目
任意の名前で依存ライブラリを定義します。
11行目
任意の名前でプラグインを定義します。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

最上位のbuild.gradle.ktsにHiltの使用宣言を追記します。

plugins {
   :
  alias(libs.plugins.hilt.android) apply false
}

3行目
バージョンカタログファイルのHiltプラグインを参照します。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

Composite Buildの導入

マルチモジュールの各モジュールの設定を共通化するため、Composite Buildを導入します。

android:studio:application:android-app0031.png

ディレクトリの作成

プロジェクトのトップディレクトリで右クリック➡『新規(N)』➡『ディレクトリ』でbuild-logicディレクトリを作成します。

※別のディレクトリ名でも構いません。
※その場合は以降読み替えてください。

作成したbuild-logic直下にkotlinスクリプト settings.gradle.kts を新規に作成します。

pluginManagement {
  repositories {
    google()
    mavenCentral()
    gradlePluginPortal()
  }
}
dependencyResolutionManagement {
  repositories {
    google()
    mavenCentral()
  }
  versionCatalogs {
    create("libs") {
      from(files("../gradle/libs.versions.toml"))
    }
  }
}

1行目~7行目
build.gradleファイルのpluginセクションで利用するプラグインのリポジトリを設定します。
9行目~12行目
build.gradleファイルで依存解決に使用する外部リポジトリを設定します。
13行目~17行目
バージョンカタログファイルを共通化するため、プロジェクトのバージョンカタログファイルを読み込みます。

作成後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

バージョンカタログファイルにComposite Buildで使用するライブラリの定義を追加します。

   :
[libraries]
   :
tools-build-gradle = { module = "com.android.tools.build:gradle", version.ref = "agp" }
kotlin-gradle      = { module = "org.jetbrains.kotlin:kotlin-gradle-plugin", version.ref = "kotlin" }
   :

4行目~5行目[libraries]
Composite Buildで使用するライブラリを定義します。

追加後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

build-logic直下にkotlinスクリプト build.gradle.kts を新規に作成します。

plugins {
  `kotlin-dsl`
}

dependencies {
  implementation(libs.tools.build.gradle)
  implementation(libs.kotlin.gradle)
}

2行目
ビルドスクリプトをKotlinで記述するためのプラグインを指定します。
6行目~7行目
依存するライブラリを指定します。

作成後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

プロジェクト直下のsettings.gradle.ktsを編集して、Composite Buildをプロジェクトに適用します。

   :
includeBuild("build-logic")

2行目
最終行に追加します。

編集後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

Build Logicの作成

Composite BuildのBuild Logicを作成します。

build-logic内にsrc/main/kotlinディレクトリを作成します。

作成したsrc/main/kotlin内にバージョンカタログファイルを参照する関数を作成します。
ファイル名をVersionCatalog.ktにしています。

import org.gradle.api.Project
import org.gradle.api.artifacts.VersionCatalog
import org.gradle.api.artifacts.VersionCatalogsExtension
import org.gradle.kotlin.dsl.getByType

internal val Project.catalog
  get(): VersionCatalog = extensions.getByType<VersionCatalogsExtension>().named("libs")

internal fun VersionCatalog.version(name: String): String {
  return findVersion(name).get().requiredVersion
}

6行目
catalogでバージョンカタログファイルを参照するように定義しています。
9行目~11行目
バージョンカタログファイルからバージョン情報を取り出す関数を定義しています。

複数の各モジュールのbuild.gradle.ktsで必要となるcompileSdk等を共通のBuild Logicとして定義します。

compileSdk等のバージョン情報をバージョンカタログファイルに追記します。

[versions]
compile-sdk = "34"
target-sdk  = "34"
min-sdk     = "27"
   :

2行目~4行目[versions]
それぞれのバージョンを任意の名前で指定します。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

src/main/kotlin内に共通定義関数を作成します。
ファイル名をConfigureExtension.ktにしています。

import com.android.build.api.dsl.CommonExtension
import org.gradle.api.JavaVersion
import org.gradle.api.Project
import org.gradle.kotlin.dsl.assign
import org.gradle.kotlin.dsl.configure
import org.gradle.kotlin.dsl.provideDelegate
import org.jetbrains.kotlin.gradle.dsl.JvmTarget
import org.jetbrains.kotlin.gradle.dsl.KotlinAndroidProjectExtension
import org.jetbrains.kotlin.gradle.dsl.KotlinJvmProjectExtension
import org.jetbrains.kotlin.gradle.dsl.KotlinTopLevelExtension

internal fun Project.configureCommonExtension(
  extension: CommonExtension<*, *, *, *, *, *>
) {
  extension.apply {
    compileSdk = catalog.version("compile-sdk").toInt()
    defaultConfig {
      minSdk = catalog.version("min-sdk").toInt()
      testInstrumentationRunner = "androidx.test.runner.AndroidJUnitRunner"
    }
    compileOptions {
      sourceCompatibility = JavaVersion.VERSION_11
      targetCompatibility = JavaVersion.VERSION_11
    }
    configureKotlin<KotlinAndroidProjectExtension>()
  }
}

private inline fun <reified T : KotlinTopLevelExtension> Project.configureKotlin() = configure<T> {
  val warningsAsErrors: String? by project
  when (this) {
    is KotlinAndroidProjectExtension -> compilerOptions
    is KotlinJvmProjectExtension -> compilerOptions
    else -> TODO("Unsupported project extension $this ${T::class}")
  }.apply {
    jvmTarget = JvmTarget.JVM_11
    allWarningsAsErrors = warningsAsErrors.toBoolean()
  }
}

12行目~27行目(Project.configureCommonExtension)
全モジュールのbuild.gradle.ktsで共通な項目を定義している関数です。
関数名configureCommonExtensionは任意の名前です。
16行目、18行目
VersionCatalog.ktで定義した関数を使用してバージョンカタログファイルからバージョン情報を取り出しています。
29行目~39行目(Project.configureKotlin)
configureCommonExtension関数のconfigureKotlinを処理する関数を定義しています。

appモジュール用のビルドプラグインの作成

バージョンカタログファイルのappモジュールの依存ライブラリ情報を更新します。

[versions]
   :
coreKtx = "1.15.0"        # https://mvnrepository.com/artifact/androidx.core/core-ktx
junit   = "4.13.2"        # https://mvnrepository.com/artifact/junit/junit
junitVersion = "1.2.1"    # https://mvnrepository.com/artifact/androidx.test.ext/junit
espressoCore = "3.6.1"    # https://mvnrepository.com/artifact/androidx.test.espresso/espresso-core
appcompat = "1.7.0"       # https://mvnrepository.com/artifact/androidx.appcompat/appcompat
material  = "1.12.0"      # https://mvnrepository.com/artifact/com.google.android.material/material
   :

3行目~8行目[versions]
コメントのURLを参照して最新安定バージョンを指定します。
4行目 junit
JUnit5が出ていますが、Koalaで生成されるテンプレートがJUnit4のため、ここではJUnit4の最新バージョンにしています。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

src/main/kotlin内にappモジュールのbuild.gradle.ktsで使用するビルドプラグインを作成します。
ファイル名をApplicationConfigurePlugin.ktにしています。

import com.android.build.api.dsl.ApplicationExtension
import org.gradle.api.Plugin
import org.gradle.api.Project
import org.gradle.kotlin.dsl.configure
import org.gradle.kotlin.dsl.dependencies

class ApplicationConfigurePlugin: Plugin<Project> {
  override fun apply(project: Project) {
    with(project) {
      with(pluginManager) {
        apply("com.android.application")
        apply("com.google.devtools.ksp")
        apply("com.google.dagger.hilt.android")
      }
      extensions.configure<ApplicationExtension> {
        configureCommonExtension(this)
        defaultConfig.targetSdk = catalog.version("target-sdk").toInt()
        buildTypes {
          release {
            isMinifyEnabled = false
            proguardFiles(getDefaultProguardFile("proguard-android-optimize.txt"), "proguard-rules.pro")
          }
        }
      }
      dependencies {
        add("implementation", catalog.findLibrary("androidx.core.ktx").get())
        add("implementation", catalog.findLibrary("androidx.appcompat").get())
        add("implementation", catalog.findLibrary("material").get())
        add("implementation", catalog.findLibrary("hilt.android").get())
        add("testImplementation", catalog.findLibrary("junit").get())
        add("androidTestImplementation", catalog.findLibrary("androidx.junit").get())
        add("androidTestImplementation", catalog.findLibrary("androidx.espresso.core").get())
        add("ksp", catalog.findLibrary("hilt.compiler").get())
      }
    }
  }
}

11行目
Appモジュールで使用するプラグインを定義しています。
/app/build.gradle.kts内のpluginsブロックを参照して指定します。
12行目~13行目
KSPとHiltのプラグインを定義しています。
16行目
ConfigureExtension.ktで作成した全モジュールの共通定義を呼び出しています。
17行目
defaultConfigブロックのtargetSdkをバージョンカタログを参照して指定しています。
18行目~23行目
/app/build.gradle.kts内のandroid/buildTypesブロックを参照して指定します。
26行目~28行目、30行目~32行目
dependenciesブロックの依存ライブラリを定義しています。
/app/build.gradle.kts内のdependenciesブロックを参照して指定します。
バージョンカタログを参照しています。
29行目
Hiltの依存ライブラリをバージョンカタログを参照して定義しています。
33行目
KSPの依存ライブラリをバージョンカタログを参照して定義しています。

作成したビルドプラグインをappモジュールのbuild.gradle.ktsで使用できるようにbuild-logic直下のbuild.gradle.ktsに追記します。

   :
gradlePlugin {
  plugins {
    register("ApplicationConfigurePlugin") {
      id = "build.logic.application.configure"
      implementationClass = "ApplicationConfigurePlugin"
    }
  }
}

4行目
任意の名前で名称を定義しています。
5行目
任意の名前でプラグインのidを定義しています。
6行目
プラグインを実装しているクラスを指定します。
src/main/kotlin内に作成したApplicationConfigurePlugin.ktで定義しているクラス名です。

追記後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

appモジュールのbuild.gradle.ktsに作成したビルドプラグインを適用します。

plugins {
  alias(libs.plugins.android.application)
  alias(libs.plugins.jetbrains.kotlin.android)
  id("build.logic.application.configure")
}

android {
  namespace = "jp.co.example.android01"
  compileSdk = 34

  defaultConfig {
    applicationId = "jp.co.example.android01"
    minSdk = 27
    targetSdk = 34
    versionCode = 1
    versionName = "1.0"

    testInstrumentationRunner = "androidx.test.runner.AndroidJUnitRunner"
  }

  buildTypes {
    release {
      isMinifyEnabled = false
      proguardFiles(getDefaultProguardFile("proguard-android-optimize.txt"), "proguard-rules.pro")
    }
  }
  compileOptions {
    sourceCompatibility = JavaVersion.VERSION_11
    targetCompatibility = JavaVersion.VERSION_11
  }
  kotlinOptions {
    jvmTarget = "11"
  }
}

dependencies {

  implementation(libs.androidx.core.ktx)
  implementation(libs.androidx.appcompat)
  implementation(libs.material)
  testImplementation(libs.junit)
  androidTestImplementation(libs.androidx.junit)
  androidTestImplementation(libs.androidx.espresso.core)
}

2行目、9行目、13行目~14行目、18行目、21行目~33行目、38行目~43行目
ビルドプラグインで定義しているので削除します。
4行目
/build-logic/build.gradle.ktsで定義したビルドプラグインのidを指定します。

適用後、『同期アイコン』で内容をプロジェクトに反映させます。

ビルドプラグインを適用した後に、プロジェクトが正常にビルドできることを確認します。

Hiltの使用準備

appモジュールにApplicationクラスを継承したクラスを作成してHiltの使用準備を行います。
※クラス名は任意です。

package jp.co.example.android01

import android.app.Application
import dagger.hilt.android.HiltAndroidApp

@HiltAndroidApp
class AppHiltExt: Application() {
}

6行目
Hiltの使用を宣言しています。
7行目
Applicationクラスを継承しています。

appモジュールのAndroidManifest.xmlに作成したクラスを登録します。

   :
  <application
        android:name=".AppHiltExt"
   :

3行目
作成したクラスの名前を指定しています。

javaディレクトリ名の変更

/app/src/main/java/… のディレクトリ名を /app/src/main/kotlin/… に変更します。
※変更しなくても構いません。

android:studio:application:android-app0041.png

リファクタリングの開始

/app/src/main/java ディレクトリで右クリック➡『リファクタリング(R)』➡『名前の変更(R)…』へと進みます。

android:studio:application:android-app0042.png

名前の変更

変更後の名前に kotlin を入力して『リファクタリング(R)』でディレクトリ名を変更します。

/app/src/androidTest/java、/app/src/test/java も同様に kotlin に変更します。

appモジュールのbuild.gradle.ktsをソースファイルがkotlinフォルダに作成されるように変更します。

   :
android {
   :
  sourceSets {
    getByName("main") {
      java.setSrcDirs(listOf("src/main/kotlin"))
    }
    getByName("test") {
      java.setSrcDirs(listOf("src/test/kotlin"))
    }
    getByName("androidTest") {
      java.setSrcDirs(listOf("src/androidTest/kotlin"))
    }
  }
}  

4行目~14行目
ソースファイルがkotlinフォルダに作成されるように追記します

目次

android/studio/application.txt · 最終更新: 2024/11/08 by プログレス合同会社